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2014.05.21更新

男性の癌の中で、現在増加率トップなのが前立腺癌なのです。
特にわが国では前立腺癌死亡率の増加が著しく、最近20年間の増加は主要26カ国中でメキシコに次いで2位だそうです。

順天堂大学泌尿器科教授の堀江氏は、前立腺癌の予防について「栄養バランスの良い食生活で、前立腺癌は予防できる」と話しています。また、前立腺癌は生活環境と非常に相関があることが従来から報告されているそうです。

米国では既に前立腺癌は減少傾向にあるそうですが、わが国では急激に増加していることが問題となっているのです。
それには、日本人の食生活の変化が影響しているそうで、この50年くらいの間に、日本人の1日平均エネルギー摂取量は減少しているにもかかわらず、脂肪摂取量は急激に増加しているからなのです。

BMIが25以上の肥満人口の割合も、この20年で女性は30歳代、40歳代、50歳代いずれの年代でも減少しているのに対し、
男性はいずれの年齢層でも増加し続けています。この20年でわが国の肥満男性は1.5倍になっているそうです。

堀江氏は「肥満は前立腺癌の大きな原因のひとつ」と指摘していますし、「食事は前立腺の健康に重要」と強調しています。

特に脂肪の摂取量が多いことは、前立腺にとって"負の作用"を及ぼすと考えられ、「前立腺癌を防ぐには、動物性脂肪、塩分を控えた栄養バランスの良い食生活が大切である」と述べています。例えば、無調整の牛乳コップ1杯は,ベーコン5枚分の脂肪量とほぼ等しいそうで、牛乳消費量は前立腺癌発生率と相関することも報告されているのです。

乳製品の摂取量が多い北欧などでは、前立腺癌が多いことも知られています。
同氏は「40歳を過ぎたら,男性はできるだけ低脂肪の牛乳を飲むようにした方がよいでしょう」と話しています。
また従来、癌の予防に良いとされていた魚油などのω3系脂肪酸やオリーブ油も、摂取量が多いと前立腺癌の危険因子となることが最近報告されているそうで、焼き鳥の油も、前立腺癌には危険因子となることが報告されているのです。

一方で堀江氏は、前立腺癌の予防に良い食品として、大豆、トマト、ウコン、魚、緑茶、ブロッコリーなどを挙げています。トマトジュースやトマトケチャップが前立腺癌のリスクを減少させることも示されているそうです。

同氏は「同じイタリア人でも、ラザニアが好きな人とカルボナーラが好きな人では、後者の方が前立腺癌の発症数が多いというデータも出ている」と述べています。

大豆食品の摂取については、前立腺癌のリスクを約30%減少することも示されているそうで、堀江氏は「ライフスタイルの変化が、前立腺特異抗原(PSA)値を下げることも示されている」と指摘しています。

その一例として、野菜中心で魚、ビタミンなどの摂取をする食生活に変え、1日30分の歩行を週に6日行うなどのライフスタイルを変化させた群では、変化させなかった群に比べてPSA値が有意に減少したとする報告を紹介しています。

またライフスタイルが変化して2年後のフォローアップでは、手術、放射線治療、ホルモン治療の治療開始時期が遅かったことも紹介し、「前立腺癌や乳癌など、特に経過の長い癌では、ライフスタイルのマネジメントが非常に重要である。」と指摘しています。

なお同大学病院では、前立腺癌患者に対し、好きな食べ物や毎日のおおよその食生活などの"食べ物の調査"を行っているそうです。

同氏は「前立腺癌を発症した人は、やはり、トンカツや揚げ物が好きな人が非常に多い。
逆に言うと、毎日塩ザケとみそ汁のような食生活を送っている人は、前立腺癌にならない」と話し、特にPSA監視療法の患者に対しては、食生活の改善、指導が大切であると考え、患者の家族も含めた指導に当たっていることを紹介しました。

投稿者: 麹町内科

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